水圧転写の強みは、なんと言っても「3次元印刷」に対応できる点です。
そんな水圧転写の仕組みや原理を解説していきます。
水圧転写とは?その原理や仕組みを解説
水圧転写とは、リアルな木目柄や大理石柄、迷彩柄、カーボン柄などの様々な模様を、曲面・凹凸など複雑な形状を持つ3次元の立体物に塗装(転写)・印刷をする事が出来る画期的な技術です。
専用フィルム(PVA)に指定柄のインク層を印刷し、このフィルムを水の入った水槽に浮かべ、水の表面張力を利用して、インク層のみを転写することができます。
PVA(ポリビニルアルコール)とは、合成樹脂の一種で親水性が非常に強く温水に可溶という特徴を持っています。
フィルムに印刷されたインク層のみを転写できる
フィルムを3次元の複雑な形状の立体物にシールのように貼ることは大変難しく、必ずシワができてしまいます。
ですが、水圧転写ではフィルムに印刷されている模様のインク層だけが立体物に転写されるので、よほど複雑な形状をしている立体物でなければ、綺麗に転写されます。
では、フィルムはどこにいったのか?
フィルムに印刷されたインク層のみが立体物に転写され、最初に水面に浮かべていたフィルム自体は、転写後の温水洗いで溶けて洗い流されます。
これが前述の「PVAは親水性が非常に強く温水に可溶」という点、つまり簡単に例えるとオブラートのようなものです。
フィルムを貼るわけではないため、めくれにくいという点
水圧転写は、工法だけを見ると模様のあるフィルムを貼っているように見え、勘違いをされるケースがよくありますが、本来はあくまでインク層を転写しているため、フィルムを貼った後のように端からめくれてくる、といったことはありません。
ただし、立体物にしっかりとインク層を定着させる工夫がおこなわれていなければ、インクの塗膜が剥がれてしまう事もあり得ます。
そのため、インク層の上にクリア塗装によるトップコートをおこないます。
トップコートには、ツヤあり・ツヤ消しがあり、製品によって最適なものを使用します。
詳しくは、水圧転写のページをご確認ください。